オカメインコの飼い方・飼う前の心構え(1)

現在、ピコたちと暮らして早いもので6年が経ちました。

長いようで月日が経つのは、あっという間です。

動物と暮らすにはそれなりに大変な部分もあります。

それまでの自分たちの生活スタイルを変えないといけないと思います。

そんな大げさな!と思う人もいるかもしれませんが、ペットを飼うということはそういうことだと思います。

分かりやすくいえば、小さい2,3才の人間の子供がいるのとそんなに変わりはありません。

やはり大変なんです。

じゃあ、どうしてそこまでして飼うのか?

やはり可愛いからです。可愛い顔。可愛い仕草。見てるだけで癒されます。

さらに手乗りのオカメになると、自分を慕ってくれます。

ゲージに顔を寄せると近づいてくれる。声をかけると理解してくれる。帰宅すると喜んで鳴く。

ゲージから出して遊ばせてあげると肩に乗って離れない。頭をなでてと要求してくるなど。

いっぱい癒しを提供してくれます。

また、小さい動物ですから臆病でもあります。

少しの変わった音にも反応するし、驚いたりもします。地震がくればパニックを起こします。

夜中に地震が来たら、起きて真っ先にピコたちが寝ている部屋の前に向かいます。

そこでバタバタとパニックを起こしていれば部屋の戸を開けて、明かりを付けて声をかけて落ち着かせ

ます。

落ち着いて来たら、また明かりを消して静かに寝かせて上げます。

このように苦労もありますが、決して苦と思ったことはありません。

可愛いから、気にかける、守ってあげたいと思うんです。

長年一緒に過ごすと、ピコたちと私たちとしか分からない絆が生まれます。

こちらの愛情をピコたちは十分理解してくれます。

オカメインコは20年くらい生きます。

この約20年間、もう飽きたから、よく懐かないからという理由で飼育を放棄できません。

オカメは癒しを提供してくれるが、一緒に生活すると大変な部分もある。

そこを十分に理解したうえで飼う必要があります。

オカメインコの特徴と飼育の注意点をいくつか上げますので、そこを十分理解した上で飼うことを決めてほしいと思います。

1.呼び鳴き

野生のオカメインコは、オーストラリアで集団で暮らしています。集団で暮らすことによって、外敵から自分が狙われる確率を減らしているんです。

ですから、ペットとして単独で飼われているオカメは、パートナーである飼い主の姿が見えなくなると、自分が一人ぼっちになることで外敵から狙われるという危険を避けるため、鳴いて仲間を呼ぶんです。

これは手乗りになっても残っている野生の本能です。

逆に、手乗りでないオカメは、おそらく呼び鳴きしないと思います。なぜなら、オカメからすると飼い主はパートナーではないから、鳴いて呼ぶ意味がないからです。

我が家のピコとミルは、呼び鳴き結構します。

ピコとミルがいるリビングから、私がトイレへ行っても鳴きますし、ほかの部屋に行って姿が見えなくなっても鳴きます。

ですから、他の部屋に用を足しに行くときは、急いで行ってきます。(笑)

風呂へ入るときは、ピコとミルを脱衣場まで連れて行きます。風呂場と脱衣場の間の扉を開けたまま風呂に入ります。(笑)私の姿が見えるので安心してくつろいでいます。

宅急便が来て部屋から離れたときは、鳴きません。なぜでしょう?すぐに戻ってくるのが分かるからでしょうか。

あと、出かけるときは、「お出掛け言ってくるよ」と言えば鳴きません。これも飼い主は出かけるから、呼び鳴きしても無駄だということを分かっているからでしょう。

常に同じ言葉に同じ行動をしていれば、オカメは理解してくれるんです。

呼び鳴きを改善させる方法として、飼育本をみると、オカメが呼び鳴きすると飼い主が姿を消して、呼び鳴きを止めると姿を現すを繰り返すと良いと書いてありました。

うちのピコとミルはこれでは治らないようです。(涙)

2.フケが出る。

オカメインコは、フケが出ます。かなり出ます。

毎日、夕食後の放鳥の時にゲージの掃除をしますが、敷いている新聞紙には、細かい白い人間のフケと良く似たフケがいっぱい落ちています。

放鳥のとき、濃い色のズボンの上でピコかミルが羽ぐつろいなどするとズボンが真っ白になります。

そこにさらに、ブルブルと身震いをすればフケが舞い上がります!

分かりやすくフケと言いましたが、これは脂粉(しふん)といいます。

粉羽(こなう)や粉綿羽(こなめんう)ともいうらしいです。

鳥類には、多かれ少なかれ出るらしいです。体の大きい鳥ほど出るようです。

ピコとミルでは、体格の大きいミルの方が多く出ます。

脂粉は、体の老廃物なのか、羽の防水のためか羽の汚れ防止のためなのか良くわかっていないらしいですが、健康な鳥ほど多く出るらしいです。

うちでは、近くに充電式の簡易掃除機を置いて吸い取ったりしますけど、ぜんそくのある人などは注意が必要です。

オカメを常に部屋に放し飼いにしている人は、脂粉と糞で床がかなり汚れると思います。

3.絶えず糞をします。

オカメインコなど鳥類は、空を飛ぶための軽量化のため内蔵が簡単に出来ているそうです。

そのため、胃も小さく腸も短く食いだめも出来ず、絶えず食べて糞をします。

ですから糞は20~30分おきにします。放鳥の時はそのことを注意しないといけません。

幸いオカメの糞は、車の上にベチョと付いているカラスなどの糞と違って、小さくコロッとしています。

大きさは米粒くらいで、ティシュで簡単に取ってれます。ただ、20~30分おきにするので踏んでしまわないように注意が必要です。

メスは、巣の中に糞をしないように、少し下がって糞をする習性があるので仕草で分かりますが、オスは、何の前触れもなく糞をします。ご注意を!

4.臆病です。

前にも書きましたが、オカメは臆病です。鳥の中でもトップクラスかもしれません。

何しろ、自分より小さいセキセイインコや文鳥に虐められるらしく、一緒のゲージにいれて飼育出来ないらしいです。

気の強い中型インコや大型インコとは、たとえゲージが違っても一緒に飼えないのではないかと思います。

大型インコたちの大きな雄たけびを聞いたら、うちのミルなんてギャーですよ、きっと!

「オカメパニック」という言葉もあるように、驚いてゲージの中でバタバタ暴れることがあります。

もう見境なく暴れるので、怪我をすることもあるらしいです。

そのことを考えてゲージの中の止まり木やオモチャの配置を考えてあげる必要があります。

我が家では、オスのミルのほうが特に臆病です。

今までどんな時にオカメパニックを起こしたか、上げると

1、地震、震度2以上、

2、テレビで猛禽類が飛んでる映像が出たとき、

3、玄関で日向ぼっこをしているときに猫が顔を出したとき、(決して離れないようにしています)

4、リビングで窓を開けて日向ぼっこをしているとき、窓の外で宅急便のひとが歩いてきたとき、

などなどです。

普段見たこともないハエがゲージの周りを飛んでも驚いた恐怖の顔をしています。(笑)

オカメは、少し驚くと冠羽をピンと上げて、首を伸ばし体を細くします。そして目をまん丸くします。

すぐに分かりますよ。

5.ヒナの飼育

オカメインコに限らず、飼い鳥のヒナを育てるのは結構大変です。

ペットショップで売られているオカメは、大よそ生後1か月前後くらいでしょうか。

生後2~3週間で巣箱から出されるヒナのオカメは、ブリーダーさんやペットショップの店員さんが餌付けをします。

一人で大人の餌を食べれるようになるのは、生後2か月から遅いヒナオカメは生後3か月くらいまでかかってしまいます。

この期間、せっせと挿しエサを与えるのは大変ですが、無事に一人で大人の餌を食べれるようになった時には、大変うれしいものです。

ピコも生後1か月くらいでお迎えしましたが、挿しエサを与えるのに大変苦労しました。

ペットショップの店員さんは、オカメはシリンジで与えるとの指導でした。

ところが、シリンジではエサを欲しがって口を開けて首を縦に振る習性のオカメには、上手く口に入れてやることが出来ませんでした。

ピコは、体重が60gくらいまで減少しました。

どうすれば挿しエサを上手くピコに食べさせてあげることが出来るのか悩んでいるときに、偶然ピコがスプーンに入れた挿しエサを自分で突いて食べました。

これがきっかけで、そのあとは常にスプーンで挿しエサを与えるようにして、ピコの体重は無事徐々に増えていきました。

後で調べてみると、シリンジで挿しエサを与えるのは、文鳥のような口をした鳥たちでした。

インコ達は、皆スプーンで挿しエサを与えるようでした。

ピコには悪いことをしましたが、無事に育ってくれて本当に良かったです。

ピコに比べて、ミルの挿しエサは2回目ということもあり、またブリーダーさんから挿しエサに丁度ピッタリの大きさのスプーンがあることを聞いていたので、ミルはすくすく育ち、一人で大人の餌を食べれるようになるのも早かったです。

6.温度管理

野生のオカメインコは、オーストラリアにいます。

オーストラリアの気温は、冬の最低気温が10度くらい、夏の最高気温が40度くらいのようです。

日本の冬は、ほとんどの地域で最低気温が0度くらいまで下がりますから、親鳥になっても冬は保温は必要だと思います。

ヒナの時のオカメ達は、28度くらいの保温が必要だと言われています。

これは、複数のヒナと肩を寄せ合ってお互いを暖めて巣箱にいるオカメ達の状況を考えてのことだと思います。

ペットショップには、保温用のヒーターが売っていますので必需品です。

ヒナの時は、プラスチックの昆虫飼育などの容器が適しています。

ここに保温用ヒーターを入れて飼育しますが、ヒーターは20ワットと40ワットがあります。

いずれを使うにしても、温度計の設置も忘れずに。

夏場の温度管理も注意が必要です。

いくら最高気温40度もあるオーストラリア原産とはいえ、日本の夏は湿度がありますし、窓を閉め切った留守中の家などでは、結構な高温になると思います。

そのような時、出掛ける時にも30度くらいの弱い設定でエアコンを付けてあげると良いかもしれません。


7.まとめ

ざっと、6つほどオカメインコの飼育の大変な部分を上げてみました。

呼び鳴きするし、絶えず糞をするし、フケは大量に出るしそして臆病です。

そこへ持ってきて我が家のピコとミルは、私たちがいない間は、餌も食べずにジーとして帰りを待っています。

そのため何処へ外出するにも、ピコとミルが待っていることを考えて早く帰ってきます。

でも飼って良かったと思っています。

ピコとミルを見ていると、そんなことは小さいことなんです。

ずっと、長生きしてほしいと思っています。

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